セクハラ・パワハラ問題
職場におけるセクハラ、パワハラ問題も無視できない問題です。 |
まず、平成11年には男女雇用機会均等法(以下「均等法」といいます。)により事業主にセクハラ防止義務が課せられました。事業主としては均等法が想定するセクハラ行為について、就業規則等で禁止をし、セクハラ行為があった場合には懲戒処分をするなどの対応をする必要があります。
なお、均等法が想定するセクハラ行為は民事上違法とは言えない行為も含まれているので、違法じゃないから大丈夫、ということにはなりません。
違法なセクハラ行為があった場合には事業主は使用者責任や安全配慮義務違反を理由に損害賠償責任を負うことになります。また、均等法上定められた義務を果たしていない場合には、勧告、あるいは氏名の公表といった不利益を課されることになります。
次に、パワハラはセクハラとともに頻繁に起こるトラブルの1つといえます。 |
パワハラは「同じ職場で働く者に対して、職務上の地位や人間関係などの職場内の優位性を背景に、業務の適正な範囲を超えて、精神的身体的苦痛を与える又は職場環境を悪化させる行為」と定義されます。
このパワハラについては「業務の適正な範囲」であったか否かが問題となります。
上司は部下に対して一定の指導を行う権限がありますので、厳しい指導をしたからといってそれが直ちにパワハラになるわけではありません。
あくまで「業務の適性な範囲」を超えたものがパワハラになります。
違法なパワハラがなされた場合、事業主は使用者責任や安全配慮義務違反を理由に損害賠償責任を負うことになります。またパワハラを放置すれば生産性が低下したり人材が流出したり、事業主の評判が落ちる(レピュテーションリスク)などのリスクが生じます。
そのため、セクハラ・パワハラ問題については事前の予防策及び問題発生後の適切な対策をとることが不可欠です。適切なタイミングで適切な対応をすることでトラブルの防止やトラブルの影響を最小限にすることができます。紛争が深刻化する前に弁護士にご相談ください。